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育児短時間勤務の勤務形態とは?
4つの育児短時間勤務形態とは?
育児休業が終わって、小学校に就学するまでの間、職員がその子どもを養育するのによい制度はないだろうか。
そのために設けられた制度が「育児短時間勤務」という制度です。
育児短時間勤務には、4つの勤務形態があります。
その勤務形態を見てみましょう。
1 週5回、1日3時間55分勤務(週19時間35分勤務)
月 勤務日(3時間55分)
火 勤務日(3時間55分)
水 勤務日(3時間55分)
木 勤務日(3時間55分)
金 勤務日(3時間55分)
土 週休日
日 週休日
1日3時間55分勤務だと、例えば次のようになるでしょうか。
勤務 10時40分~12時40分(2時間)
休憩 12時40分~13時25分(45分)
勤務 13時25分~15時20分(1時間55分)
実際に育児短時間勤務の先生が勤務する場面に遭遇したことがないので、時間の割振りは私が考えたものです。
労働基準法では、休憩時間45分となるのは、勤務時間が6時間を超えて8時間以上の場合ですが、休憩時間は原則としていっせいに与えなければならないので、他の職員が45分休憩しているのとあわせなければならないと考えて、昼の休憩を45分としました。間違っていたらごめんなさい。
2 週5回、1日4時間55分(週24時間35分勤務)
月 勤務日(4時間55分)
火 勤務日(4時間55分)
水 勤務日(4時間55分)
木 勤務日(4時間55分)
金 勤務日(4時間55分)
土 週休日
日 週休日
1日4時間55分勤務だと、例えば次のようになるでしょうか。
勤務 9時40分~12時40分
休憩 12時40分~13時25分
勤務 13時25分~15時20分
3 週3回、1日7時間45分(週23時間15分)
月 週休日
火 勤務日(7時間45分)
水 勤務日 (7時間45分)
木 勤務日(7時間45分)
金 週休日
土 週休日
日 週休日
1日の勤務は、例えば次のとおりです。
勤務 8時25分~12時40分
休憩 12時40分~13時25分
勤務 13時25分~16時55分
4 週3回、1日7時間45分×2+1日3時間55分
月 週休日
火 勤務日(7時間45分)
水 勤務日 (7時間45分)
木 勤務日(3時間55分)
金 週休日
土 週休日
日 週休日
1日の勤務はこれまでの例を参考にしてください。
地方公務員の育児休業等に関する法律では、7時間45分や4時間55分、3時間55分は面白い書き方をしているのですよ。元になる時間は週の勤務時間である38時間45分です。
10分の1勤務時間・・・3時間55分のこと
8分の1勤務時間・・・4時間55分のこと
5分の1勤務時間・・・7時間45分のこと
また、週の勤務時間で最低なのは、4番の週19時間25分で、最大の時間は2番の週24時間35分ですが、その範囲内の時間になるように条例で定める、5つめの勤務形態もあります。
ただし、本県では1週間あたりの勤務時間はやはり「19時間25分」「19時間35分」「23時間15分」「24時間35分」の4つの場合に限られています。しかも適用されるのは、「公務の運営上の事情により特別の形態によって勤務する必要のある学校職員」と「船舶に乗り込む職員」の場合です。
なぜ、4つの勤務形態があるのか?
なぜ、4つの勤務形態があるのか?
これは、育児短時間勤務をする側のほうが、優位にあるからでしょう。4つの中から、適するものを選べるようになっているのです。かなり自由度はあると思います。
地方公務員の育児休業等に関する法律10条2項(育児短時間勤務の承認)
2 育児短時間勤務の承認を受けようとする職員は、条例で定めるところにより、育児短時間勤務をしようとする期間(1月以上1年以下の期間に限る。)の初日及び末日並びにその勤務の形態における勤務の日及び時間帯を明らかにして、任命権者に対し、その承認を請求するものとする。
再び「条例で定めるところにより」とありますが、おそらくこれは、育児短時間勤務の承認の請求を行う期日のことを言っているのだと思います。
本県の場合には、条例により、育児短時間勤務を始めようとする日の一月前までに行うことになっています。
同法律10条3項(育児短時間勤務の承認)
3 任命権者は、前項の請求があったときは、当該請求に係る期間について当該請求をした職員の業務を処理するための措置を講ずることが困難である場合を除き、これを承認しなければならない。
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育児短時間勤務の非常勤職員は「短時間勤務職員」
育児短時間勤務は、常勤職員のまま、一定の勤務形態により、職員が希望する日又は時間帯において勤務することができる制度です。また、代替措置として非常勤の職員を任用することができます。
地方公務員の育児休業等に関する法律18条(育児短時間勤務に伴う短時間勤務職員の任用)
1 任命権者は、第10条第2項又は第11条第1項の規定による請求があった場合において、当該請求にかかる期間について当該請求をした職員の業務を処理するため必要があると認めるときは、当該請求のかかる期間を任期の限度として、短時間勤務職員を採用することができる。
短時間勤務職員とは?
地方公務員法28条の5
任命権者は、当該地方公共団体の定年退職者等を、従前の勤務実績等に基づく選考により、1年を超えない範囲内で任期を定め、短時間勤務の職に採用することができる。
育児短時間勤務に関して、教頭として注意すべきこととは?
教頭として注意すべきこと
1 育児短時間勤務職員に対して、公務の運営に著しい支障が生じる場合を除き、正規の勤務時間が割振られていない時間に勤務を命ずることはできません。
つまり、例えば勤務時間が15時20分までの日に、「このあと職員会議があるので会議に出なさい」なんていうことはできないのです。
2 育児短時間勤務の内容(勤務時間の割り振り等)を変更する場合には、一度承認を取り消し、新たに請求し直すことになります。したがって、請求しなおすときは、1ヶ月以上前の請求が必要なのです。
教頭の事務処理が原因で遅れると、承認できなくなりますから要注意です。
3 育児短時間勤務の期間を延長する場合には、1月前までに請求する。このとき、勤務形態を変更して請求することもできる。
同じ勤務形態とは限らないのですね。子どもの事情によるのでしょうね。
4 原則として育児短時間勤務の終了から1年を経過していれば、再度育児短時間勤務をすることができる。
地方公務員の育児休業等に関する法律10条1項
・・・常時勤務を要する職を占めたまま、次の各号に掲げるいずれかの勤務の形態により当該職員が希望する日及び時間帯において勤務することができる。ただし、当該子について、既に育児短時間勤務をしたことがある場合において当該子にかかる育児短時間勤務の終了の日の翌日から起算して1年を経過しないときは、条例で定める特別の事情がある場合を除き、この限りではない。
同法律では、育児短時間勤務の職員が、希望する時間に勤務することができるのですが、前の子のときに育児短時間勤務をしたときから1年が経過していないときは、勤務できないときもある。と言っていますね。
裏を返せば、1年たっていれば、同じ子でも育児短時間勤務をすることができるというわけです。
次回は、育児短時間勤務職員の、給与や退職手当などについて調べます。
次の記事につづく
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