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学校事故とは
学校事故
「学校事故」は法令に定義があるというわけではありません。
いくら探してもないのです。
では学校事故とは何なのか?
・学校が直接的に介在して発生する事故
・学校が間接的に介在して発生する事故
この2種類があります。
ただし、学校の管理責任があるかどうかは、はっきりいえない事故も含みます。
学校事故が発生した場合、日本スポーツ振興センター法に基づいて、「災害共済給付制度」が適用されます。
この法律は、事故の責任がどこにあるのか、という責任の所在を問うことなく、速やかに被害者を救済することを目的としています。
独立行政法人日本スポーツ振興センター法3条(センターの目的)
独立行政法人日本スポーツ振興センターは、スポーツの振興及び児童、生徒、学生又は幼児の健康の保持増進を図るため、その設置するスポーツ施設の適切かつ効率的な運営、スポーツの振興のために必要な援助、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、高等専門学校、特別支援学校又は幼稚園の管理下における児童生徒の災害に関する必要な給付その他スポーツ及び児童生徒等の健康の保持増進に関する調査研究並びに資料の収集及び提供等を行い、もって国民の心身の健全な発達に寄与することを目的とする。
同センター法15条(業務の範囲)
7 学校の管理下における児童生徒等の災害(負傷、疾病、障害又は死亡をいう。)につき、当該児童生徒等の保護者又は当該児童生徒等のうち生徒若しくは学生が成年に達している場合にあっては当該生徒若しくは学生その他政令で定めるものに対し、災害共済給付(医療費、障害見舞金又は死亡見舞金の支給をいう。)を行うこと。
この法律の条文に、「学校事故」という言葉はないようです。学校の管理下における児童生徒等の災害と呼んでいますね。
災害共済給付金が支払われるとき
災害共済給付金
センター法15条では、「学校の管理下における児童生徒等の災害」であるときに給付金が支給されることになっています。
では、「学校管理下」とはどんなときなのでしょうか。
これについては、同センター法施行令にあります。
独立行政法人に本スポーツ振興センター法施行令5条(学校の管理下における災害の範囲)の2項
1 児童生徒等が、法令の規定により学校が編成した教育課程に基づく授業を受けている場合
2 児童生徒等が学校の教育計画に基づいて行われる課外指導を受けている場合
3 児童生徒等が休憩時間中に学校にある場合、その他校長の指示又は承認に基づいて学校にある場合
4 児童生徒等が通常の経路及び方法により通学する場合
5 これらの場合に準ずる場合として文部科学省令で定める場合
5の「文部科学省令で定める場合」とは、同センターに関する省令で定められています。項目だけ取り出すと次のようになります。
1 児童生徒等が寄宿舎にあるとき
2 学校以外の場所で、課外指導の場所又は寄宿舎の場所と住居との間を往復するとき
3 定時制・通信制の課程の生徒が、技能教育の施設(教育委員会が指定したもの)で教科の一部の履修となる教育を受けているとき
以上の要件に該当する場合、事故が「学校の管理下」にあったと認定され、災害共済給付金が支給されるのです。
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責任の所在はどこにあるのか
学校事故の責任
ここでの学校事故は、学校管理下で発生した事故で、児童生徒が被害者であるものとします。
次の2つがあります。
1 不法行為に基づく事故
・加害者が教員で、被害者が児童生徒の場合
・加害者が児童生徒で、被害者も児童生徒の場合
いずれにしても、教員の故意であるのか、過失があるかないかが責任の有無の大きな要素になります。
2 学校の施設設備の設置または管理の瑕疵に基づく事故
「瑕疵」とは、①きず、②不十分な箇所、のことをいいます。「欠陥」や「過失」という意味もあります。「瑕」と「疵」はどちらも「きず」を意味します。
瑕疵があると認められれば、設置者又は管理者等は、過失の有無にかかわらず「無過失責任」を負うことになります。
教員の責任
学校事故に対する法的責任
1 民事責任・・・損害賠償責任(国家賠償法の適用)
国家賠償法の適用とは、「公務員が故意又は過失によって違法に他人に損害を与えた場合には、国又は公共団体がこれを賠償する責に任ずる」(国家賠償法1条)というものです。
国や公共団体が、代わりに払ってくれると思いがちですが、第1条第2項には、国や公共団体が、その公務員に対して、求償件を有していると定められているので、結局自分に賠償責任が帰ってくるのです。
2 刑事責任・・・罰金、禁固、懲役等
3 行政責任・・・公務員の懲戒罰(懲戒免職、停職、減給、戒告)
まとめ
今回はここまでにします。
これ以外にも、生徒に対する教員の安全配慮義務に関することや、施設設備に関する事故、生徒同士の事故、第3者の侵入による事故等さまざまありますが、すべてについてここで書き切ることはできません。
書くとすれば、事例・判例等をもとに書くのでしょうが、法律の専門家ではありませんのでこれぐらいにしておきます。
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