定年退職とは?|定年っていつからあったのか?

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「定年」は、いつからあったのか?

定年は昔はなかったのか

 

「定年っていつからあったのか?」という問いは、よくわからない問いだと思うかもしれません。

 

「定年って、昔はなかったの?」という疑問が起きるかもしれません。

 

そうなんです。

 

実は、昔は「定年」はなかったのです。

 

昭和56年の地方公務員法改正により、第28条の2~4の3か条が地方公務員法に追加されました。

 

それ以前は地方公務員の定年制を定める法規定は存在しませんでした。

 

 

 

しかし、実際上は、いわゆる退職勧奨という合意に基き、一定年齢に達した職員が退職する方式が取られていたのです。

 

 

地方公務員法は、職員の身分を保障する法律であるにもかかわらず、裏では暗黙の理解による退職が行われていたということになります。

 

 

このようなことは、問題にならなかったのでしょうか。

 

そんなはずはなく、実際は少なからず問題が起きていたようです。

 

定年退職とは?|定年っていつからあったのか?

 

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定年制の施行

そこで、昭和56年の改正により、定年制を法定の「退職事由」として定める必要が生じたのです。

 

そして、昭和60年に、地方公務員一般についての定年制が施行されました。

 

昭和60年は、わたしが社会人になった年です。

 

定年制はその年から実施されていて、それ以前はなかったということには、ちょっと複雑な気持ちがありますね。

 

その制度が始まった年に公務員になったのだということを、私は知らなかったのです。

 

 

 

 

では、条文を見てみましょう。

 

 

 

地方公務員法第28条の2(定年による退職)

 

1 職員は、定年に達したときは、定年に達した日以後における最初の3月31日までの間において、条例で定める日(以下「定年退職日」という。)に退職する。

 

2 前項の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として条例で定めるものとする。

 

3 前項の場合において、地方公共団体における当該職員に関しその職務と責任に特殊性があること又は欠員の補充が困難であることにより国の職員につき定められている定年を基準として定めることが実情に即さないと認められるときは、当該職員の定年については、条例で別の定めをすることができる。

 

この場合においては、国及び他の地方公共団体の職員との間に権衡を失しないように適当な考慮が払われなければならない。

 

4 前三項の規定は、臨時的に任用される職員その他の法律により任期を定めて任用される職員及び非常勤職員には適用しない。

 

定年退職とは?|定年っていつからあったのか?

 

これにあるように、地方公務員の定年は、国の職員につき定められている定年を基準として、「条例」により定めることとなっています。

 

国においては、定年年齢を60歳としています。

 

一部例外の実例として、医師・歯科医師の65歳、用務員などの単純労務職員については63歳が定年となります。

 

 

 

本県の条例を調べてみました。

 

職員の定年等に関する条例(昭和60年3月31日施行)

 

第3条 職員の定年は、年齢60年とする。ただし、次の各号に掲げる施設等において医療業務に従事する医師及び歯科医師は、年齢65年とする。
  1 病院及び診療所
  2 保健所

 

定年退職とは?|定年っていつからあったのか?

 

まとめ

 

今日、「ぷちまな」というメールで来る問題に、次のようなものがありました。

 

問題:地方公共団体の職員は、定年に達したときには、定年に達した日以後における最初の3月31日までの間において、条例で定める日に、免職処分を受けて退職する。

 

(1)正しい

 

(2)誤り

 

さて、どちらが正解でしょうか?

 

 

こういうのもありますよ。

 

問題:職員の定年については、国家公務員の定年をそのまま条例で定めることとされており、国家公務員の定年と別の定めをすることはできない。

 

(1)正しい

 

(2)誤り

 

基本ですね。

 

「ぷちまな」は勉強になります。

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