雑記帳

スポンサーリンク

学校とは?

普段何気なく学校に行ってますが、法律で学校とは何を指すのでしょうか。小学校、中学校、高校は学校ですよと言えますが、幼稚園や大学はどうなのでしょうか。専門学校や各種学校も学校なのでしょうか。その辺から調べてみます。

 

教育基本法は、「教育」に関する法律ですが、「学校」という言葉が出てくるのは、次の条文です。

 

教育基本法6条(学校教育)
法律に定める学校は、公の性質を有するものであって、国、地方公共団体及び法律に定める法人のみが、これを設置することができる。

 

これによると、学校とは法律で定められているものになります。ここでは国と地方公共団体が設置する公立の学校について調べていきます。

 

 

教育基本法9条にも、出てきます。

 

教育基本法9条(教員)
法律に定める学校の教員は、自己の崇高な使命を深く自覚し、絶えず研究と修養に励み、その職責の遂行に努めなければならない。

法律に定める学校とは?

法律に定める学校とは?

 

学校教育法では、「学校」を次のように定めています。

 

学校教育法1条(学校の範囲)
この法律で、学校とは、幼稚園、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校、特別支援学校、大学及び高等専門学校とする。

 

いわゆる「1条校」といわれる学校です。これが「法律に定める学校」なのです。
幼稚園も学校なのですね。
また、高等専門学校とはいわゆる「高専」とよばれるもので、修業年限が5年のものですね。よくある専門学校ではありません。

設置基準

設置基準

 

学校教育法3条(設置基準)
学校を設置しようとする者は、学校の種類に応じ、文部科学大臣の定める設備、編制その他に関する設置基準に従い、これを設置しなければならない。

 

「学校設置基準」という法令は文部科学大臣が定めるので「省令」なのですね。

 

それぞれの学校には、設置義務があるものがあります。

 

小学校・・・市町村に設置義務があります。(学校教育法38条、小学校設置義務)

 

中学校・・・市町村に設置義務があります。(学校教育法49条、準用規定)

 

高等学校・・・都道府県に対して、別の法律で設置(適正配置)について定められています。

 

公立高等学校の適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律4条(公立の高等学校の適正な配置及び規模)
都道府県は、高等学校の教育の普及及び機会均等を図るため、その区域内の公立の高等学校の配置及び規模の適正化に努めなければならない。この場合において、都道府県は、その区域内の私立の高等学校並びに公立及び私立の中等教育学校の配置状況を十分に考慮しなければならない。

 

特別支援学校・・・都道府県に設置義務があります。(学校教育法80条、特別支援学校の設置義務)

 

スポンサーリンク

小学校を新しく作るには?

小学校を新しく作るには?

 

それでは、例として小学校を新しく設置してみましょう。
学校教育法施行規則には次のようにあります。

 

学校教育法施行規則40条(設備、編制)
小学校の設備、編制その他設置に関する事項は、この節に定めるもののほか、小学校設置規準の定めるところによる。

 

「この節」にあるものは、学級数や校務分掌など人的配置に関するものですね。設備に関しては、小学校設置基準を見てみます。小学校設置基準は、省令です。

 

小学校設置基準7条(一般的基準)
小学校の施設及び設備は、指導上、保健衛生上、安全上及び管理上適切なものでなければならない。

 

さて、具体的にはどんなものなのでしょうか。

 

小学校設置基準9条(校舎に備えるべき施設)
校舎には、少なくとも次に掲げる施設を備えるものとする。
1 教室(普通教室、特別教室とする。)
2 図書室、保健室
3 職員室

 

そうなんですか。この4つは必ず作るように、省令で決められていたのですね。

 

ほかにも校舎や運動場の面積などの規定がありますが、ここでは省略します。
別の機会に詳しく調べたいと思います。

 

さて、最後に、小学校を設置するときには届出をしなければなりません。どこにどのように届け出るのでしょうか?

 

学校教育法施行令25条(市町村立小中学校等の設置廃止等についての届出)
市町村の教育委員会は、当該市町村の設置する小学校又は中学校について次に掲げる事由があるときは、その旨を都道府県の教育委員会に届け出なければならない。
1 設置し、又は廃止しようとするとき。
2 新たに設置者となり、又は設置者たることをやめようとするとき。
3 名称又は位置を変更しようとするとき。
4 分校を設置し、又は廃止しようとするとき。
5 2部授業を行おうとするとき。

 

市町村の教育委員会が、都道府県の教育委員会に届ければよいのですね。

 

 

小学校で2部授業とはどういうことでしょうか?

 

すでに死語となっているようですが、戦後の児童数急増によって、学校や教室の数が足りなくなり、午前クラス、午後クラスとメンバーを入れ替えての2部授業や、午前は小学校として、午後は中学校として校舎を使用することや、夜間も授業をしたりすることがあったようです。これを「2部授業」といったようです。現在はないでしょうね。

 

それではこの辺で。

スポンサーリンク


ページの先頭に戻る


関連ページ

法令の区別はできますか?
法律、法規、法令など法の呼び方にはいろいろあります。どのように区別するのか探ります。
条例、規則、教育委員会
教育委員会関係の法規をまとめてみました。
通知、通達、訓令、諮問、答申
文書のよび方などについて調べてみました。
面接試験レポート
今年の面接をレポートしました。
権限とは?職務権限とは?
権限・職務権限とは何かということについてまとめました。
文章には発見を込めるべき
文章の書き方について反省しました。
特別休暇の2つの問題
特別休暇について2つの質問です。
連休にすること
今後の予定について、検討します。
法令の第1条とは?(1)
各法令について第1条に書かれていることをまとめました。
法令の第1条とは?(2)
法令の第1条について引き続き調べてみました。
教頭試験面接レポート2016
2016年教頭試験の面接ではどんな質問があったのでしょうか。