地方公務員の研修とは?|教員の研修の違いは?

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地方公務員の研修とその目的とは

地方公務員の研修とその目的とは

 

職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない、と定められています。

 

立場を変えると、地方公共団体は職員に研修を受ける機会を与えなければならないのです。

 

これは、行政が最小の経費で最大の効果をあげるため、職員には最大限の能力を発揮することが求められているからです。

 

また、この研修は、任命権者が行うものとされています。

 

さらに人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができる、と定められています。

 

 

地方公務員法第39条(研修)

 

1 職員には、その勤務能率の発揮及び増進のために、研修を受ける機会が与えられなければならない。

 

2 前項の研修は、任命権者が行うものとする。

 

3 地方公共団体は、研修の目標、研修に関する計画の指針となるべき事項その他研修に関する基本的な方針を定めるものとする。

 

4 人事委員会は、研修に関する計画の立案その他研修の方法について任命権者に勧告することができる。

 

 

 

3は過去の地方公務員法にはありませんでしたので、平成26年より前の改正で付け加えられたようです。

 

研修の目標や計画などの基本方針は、地方公共団体が定めることとなったのですが、それまではなんとなくバラバラに行われていたのでしょうか?

 

つまり、任命権者が実施する研修は、地方公共団体として統一的な方針で行われるべきであり、「地方公共団体の長」が、「各任命権者」と調整を行いながら方針を定めるということなのです。

 

 

研修の目標とは

 

研修の目標とは、「研修で得られる知識や経験」のことをいうと考えましょう。文書をつくるときに、「目標」の項目で悩むことも多いのですが、どんな知識が得られるのか、どんな経験が得られるのか、ということを考えればよいということですね。

 

地方公務員の研修とは?|教員の研修の違いは?

 

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研修の種類にはどんなものがあるか

研修の種類にはどんなものがあるか

 

対象職員による種類別研修

 

新任者研修、現任者研修、管理職研修、係長研修、課長研修など

 

 

事業主体による種類別研修

 

・任命権者が実施する研修
・市町村が都道府県に委託して行う研修
・自治大学校などへの派遣研修
・通信教育による研修

 

 

内容による種類別研修

 

・一般教養に関する研修
・職務内容別の研修

 

 

研修場所による種類別研修

 

・職場内で行われる研修(OJT・・・On the Job Traininng)
・職場外で行われる研修(OffJT・・Off the Job Traininng)

 

 

期間による種類別研修

 

・長期研修
・短期研修

 

 

研修の手法とは

 

研修の手法には非常に多くのものがありますが、カタカナの名前のものも多く、いったいどんなものなのか、定義はどういうものなのか、知らないで参加していることはありませんか?

 

(1)OJT

 

On the Job Training の略で、「職場内研修」のことです。監理監督者が部下に対して日常的に行う研修です。監理監督者は、「指揮命令者」と「教育訓練者」の立場を兼ねています。

 

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OJTの長所

 

・個々の職員に適した、職務に即した内容の訓練ができる。
・業務を中断する必要がない。(出張しない)
・特別な経費がかからない。(上司がやるし出張旅費もかからない)

 

OJTの短所

 

・指導する者の資質に左右される(フィードバックとか反省は面倒です)
・職場により実施状況が異なる(ちゃんとやっているのかどうか)

 

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(2)ディベート

 

1つのテーマについて異なる2つの立場から議論をする手法。最後に第3者から勝敗の判断が下される。

 

 

(3)バズセッション

 

討議の手法。参加者を少人数のグループに分けて自由討論を行い、そこで得られた結論を代表者が発表し、参加者全体としての討議を進める。

 

付箋を用いて書きながらやります。最近は「アクティブラーニング」なんてよばれますが、昔からある方法なのですね。

 

 

(4)パネルディスカッション

 

1つの議題について、数人の専門家、学識経験者等が意見を発表し、その最後に一般の参加者が質疑や意見を述べる方法。

 

大きな会場で多くの人数が参加するときに使われる。

 

 

(5)フォーラム

 

1人の講師が講義を行い、司会の進行によって参加者が質疑討論を行う方式。また、講義の後、少人数のグループに分かれて討論した上で質疑討論する方法も用いられる。

 

講義の後に質疑討論があり、講義の内容を参加者全員が掘り下げ理解を深めることができる。

 

午前中に「基調講義」があり、午後から「分科会」をやって最後に閉会行事でまとめの発表、というパターンでしょうか。

 

この「フォーラム」という形の研修が一番多いかもしれませんね。

 

 

(6)ケーススタディ

 

事例研究法。
・各自でレポートを作成し持ち寄る。
・討論
・解決案の検討
・一般化
という進行で行われますが、分科会の中身がこうなっていることが多いですね。

 

 

(7)ロールプレイング

 

役割演技法。
・管理職昇任予定者対象の「組合交渉」ロールプレイング
・新任職員対象の「窓口対応」ロールプレイング

 

地方公務員の研修とは?|教員の研修の違いは?

県費負担教職員の研修とは

県費負担教職員の研修とは

 

 

地方教育行政の組織及び運営に関する法律第45条(研修)

 

1 県費負担教職員の研修は、地方公務員法第39条第2項の規定にかかわらず、市町村委員会も行うことができる。

 

2 市町村委員会は、都道府県委員会が行う県費負担教職員の研修に協力しなければならない。

 

 

 

教育公務員特例法第21条(研修)

 

1 教育公務員は、その職責を遂行するために、絶えず研究と修養に努めなければならない。

 

2 教育公務員の任命権者は、教育公務員の研修について、それに要する施設、研修を奨励するための方途その他研修に関する計画を樹立し、その実施に努めなければならない。

 

 

教育公務員特例法第22条(研修の機会)

 

1 教育公務員には、研修を受ける機会が与えられなければならない。

 

2 教員は、授業に支障のない限り、本属長の承認を受けて、勤務場所を離れて研修を行うことができる。

 

3 教育公務員は、任命権者の定めるところにより、現職のままで、長期にわたる研修を受けることができる。

 

 

 

以下条文は省略します。

 

教育公務員特例法第23条(初任者研修)

 

 

教育公務員特例法第24条(10年経験者研修)

 

 

教育公務員特例法第25条(研修計画の体系的な樹立)

 

 

教育公務員特例法第25条の2(指導改善研修)

 

 

教育公務員特例法第25条の3(指導改善研修後の措置)

 

 

教育公務員は扱いが特別なのですね・・・。何から何までこんなに面倒を見ないとやっていけない職業になったのでしょうか。

 

地方公務員の研修とは?|教員の研修の違いは?

 

 

 

まとめ

 

教職員にこんなに研修を実施して、本来の業務に支障が出ないのでしょうかね。誰が考えたのだろう。

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