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処分の事由を記載した説明書が交付されなかった場合
処分の事由を記載した説明書が交付されなかったときはどうするのか
説明書が交付されなかったときは、とにかく交付を請求することになるでしょう。
地方公務員法第49条（不利益処分に関する説明書の交付）
２ 職員は、その意に反して不利益な処分を受けたと思うときは、任命権者に対して処分の事由を記載した説明書の交付を請求することができる。
３ 前項の規定による請求を受けた任命権者は、その日から15日以内に、同項の説明書を交付しなければならない。
説明書が交付されなかった理由としては次の2つが考えられます。
①任命権者は、今回処分した件に関して、職員の意に反していないと判断している。
②任命権者は、今回の処分は職員にとって不利益な処分ではないと判断している。
①か②、あるいはどちらも含むということです。
意に反している場合、または不利益な処分と思う場合、職員は任命権者に対して説明書の交付を請求することができます。
この日から15日以内に、任命権者は説明書を交付しなければなりません。
だったら最初から説明書を交付したほうがいいのにと思うんですが。
説明書を交付されたら、職員はその処分を受け入れるか、人事委員会又は公平委員会に審査請求をすることになります。その後の流れは前回の記事のとおりですね。
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処分の事由を記載した説明書の役割と内容
処分の事由を記載した説明書の役割と内容
処分の事由を記載した説明書には2つの役割があります。
１ 処分を受けた職員に、その理由を明示すること。
２ 職員に不服があるときは、人事委員会又は公平委員会に審査請求ができる旨を通知すること。
この役割を「教示」というそうです。
教示なんてなんだか上から目線の感じですね。
説明書には何が書かれているのかというと、理由はもちろん、審査請求できる期間も記載されています。
地方公務員法第49条（不利益処分に関する説明書の交付）
４ 第1項又は第2項の説明書には、当該処分につき、人事委員会又は公平委員会に対して審査請求をすることができる旨及び審査請求をすることができる期間を記載しなければならない。
地方公務員法第49条の3（審査請求期間）
前条（第49条の2）第1項に規定する審査請求は、処分があったことを知った日の翌日から起算して3月以内にしなければならず、処分があった日の翌日から起算して1年を経過したときは、することができない。
ということは、処分説明書が交付されなかった場合、交付を任命権者に請求して実際に交付されるまでの期間も含めて3月以内ということなのか。
だったら最初から説明書を交付してほしいというのが該当の職員の願いですね。
人事委員会・公平委員会の審査・措置
人事委員会・公平委員会の審査・措置
人事委員会・公平委員会は、職員から審査請求を受理したときは、直ちにその事案を審査しなければなりません。
その後の流れも含めて条文は次のとおりです。
職員から請求があれば口頭審理となりますが、職員から請求がなければ書面審理となります。
地方公務員法第50条（審査及び審査の結果執るべき措置）
１ 第49条の2第1項に規定する審査請求を受理したときは、人事委員会又は公平委員会は、直ちにその事案を審査しなければならない。この場合において、処分を受けた職員から請求があったときは、口頭審理を行わなければならない。口頭審理は、その職員から請求があったときは、公開して行わなければならない。
２ 人事委員会又は公平委員会は、必要があると認めるときは、当該審査請求に対する採決を除き、審査に関する事務の一部を委員又は事務局長に委任することができる。
３ 人事委員会又は公平委員会は、第1項に規定する審査の結果に基いて、その処分を承認し、修正し、又は取り消し、及び必要がある場合においては、任命権者にその職員の受けるべきであった給与その他の給付を回復するため必要で且つ適切な措置をさせる等その職員がその処分によって受けた不当な取扱を是正するための指示をしなければならない。
地方公務員法第51条（審査請求の手続等）
審査請求の手続及び審査の結果執るべき措置に関し必要な事項は、人事委員会規則又は公平委員会規則で定めなければならない。
まとめ
判定の種類は3つあります。
１ 処分の承認・・・委員会が処分者の処分を適法且つ妥当と認めた場合、現処分を承認するものです。
２ 処分の修正・・・委員会が処分を違法ではないが、処分者の裁量が不当であると判断した場合に、現処分を修正するものです。
３ 処分の取消・・・処分が違法である場合又は違法ではないが著しく不当であり、処分の修正をすることが適当でない場合に現処分を取り消すものです。
「勤務条件に関する措置要求」と「不利益処分に対する審査請求」では、人事委員会又は公平委員会が重要な立場にあるのですね。
ということは、これらの委員会のメンバーは単なる職員の集まりではなく、法律の専門家ということなのでしょうか。
いずれ調べてみようと思います。
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