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臨時職員とは何か?
前回は「臨時的任用職員」と「任期付採用職員」の違いについて調べました。
今回は、さらに、「臨時職員」と「非常勤職員」について調べてみます。
臨時職員とは?
○○教育委員会に属する臨時職員取扱要綱
第1条(趣旨)
この要綱は、臨時職員の取扱に関し必要な事項を定めるものとする。
第2条(定義)
この要綱において、次の各号に掲げる用語の定義は、それぞれ当該各号に定めるところによる。
(1)所属長 本庁の課長又は室長、地方機関及び教育機関の長をいう。
(2)正規職員 地方公務員法(以下「法」という。)第17条の規定により正式に任用された職員をいう。
(3)臨時職員 法第22条第2項及び地方公務員の育児休業等に関する法律(以下育児休業法という。)第6条第1項の規定により臨時的に任用される職員をいう。
(2)の地方公務員法第17条というのは、「任命の方法」に関する条文で、「採用、昇任、後任、転任のいずれかの方法により、職員を任命することができる」というものです。
(3)地方公務員法第22条第2項とは、
「人事委員会を置く地方公共団体においては、任命権者は、人事委員会規則で定めるところにより、緊急の場合、臨時の職に関する場合又は採用候補者名簿がない場合においては、人事委員会の承認を得て、6月を超えない期間で臨時的任用を行うことができる。・・・」
というものです。
また、育児休業法第6条第1項とは、その中に2つのことがあり、
1 当該請求に係る期間を任用の期間(以下「任期」という。)の限度として行う、任期を定めた採用
2 当該請求に係る期間を任期の限度として行う臨時的任用
というものです。1は「採用」なので任期付採用です。2は臨時的任用です。
第3条(任用の範囲)
臨時職員の任用は、次に掲げる場合に限り行うことができる。
(1)職員の任用に関する規則第38条各号の一に該当する場合
(2)育児休業法第6条第1項に規定する臨時的任用を行う必要がある場合
第4条(種別及び職種)
1 臨時職員の種別及び区分は、次の各号に定めるところによる。
(1)第1種臨時職員 2月以内の期間を限って任用される者(第3号に規定される者を除く)
(2)第2種臨時職員 2月を越え6月以内の期間を限って任用される者(次号に規定する者を除く。)
(3)育休代替臨時職員 育児休業法第6条第1項の規定により1年以内の期間に限って任用される者
2 臨時職員の職種は、臨時事務補助員、臨時技術補助員及び臨時業務補助員とする。
2によると、臨時職員というのは教員にはないものであることがわかります。
第5条(任用期間)
1 臨時職員の任用期間は、総務課長が必要と認めたときは、6月を越えない範囲で更新することができる。
2 前項の規定により更新をしようとするときは、更新前の任用期間の始期から更新後の任用期間の終期までは、6月を越えてはならないものとする。ただし、1月以上2月未満の中断期間を置いたときは、更新前の任用期間の始期から1年を超えない範囲で期間の更新をすることができる。
3 前項の規定にかかわらず、次の各号に掲げる場合において総務課長が必要と認めたときは、更新前の任用期間の始期から1年を超えない範囲で期間の更新をすることができる。
(1)正規職員が病気休暇及び介護休暇を取得した場合又は心身の故障のため休職となった場合において、当該正規職員の代替として任用するとき。
(2)短時間勤務の臨時職員(勤務時間が週29時間以内の臨時職員をいう。以下同じ。)として任用し、又は更新するとき。
(3)正規職員又は再任用職員である単純労務職員が退職又は配置換えによる欠員の場合において、当該職員の代替として任用するとき。
4 前3項の規定による更新は、再度これをすることができない。
5 前4項の規定にかかわらず、正規職員が産前産後休暇を取得する場合において当該正規職員の代替として任用する臨時職員及び育休代替臨時職員の任用期間については、次の各号によるものとする。
(1)同一の臨時職員の引き続いた任用は、1年を超えないものであること。
(2)1回の育児休業にかかる育休代替臨時職員の任用は、通算して1年を限度とすること。
(3)1回の育児休業の期間が1年を超えるときは、前2号を満たす場合に限り、当該育児休業の期間中に1月以上の中断期間を置き同一の臨時職員を再度任用することができるものであること。
ポイントになるのは、産前産後休暇と育児休業のときです。
1人目のお子さんの育児休業中に、2人目のお子さんが生まれて、産前産後休暇となり、引き続き育児休業となる場合があります。
このような場合の臨時職員は、ある時期に1ヶ月の中断期間をおいて、再度任用することができるのです。
確かに、事務職員の方で、そのようなサイクルの方がおりました。毎年同じ時期に中断期間があって、何年も勤務しているのですね。
そのような方の職名が、産前産後休暇の場合は「臨時職員」といい、育児休業の場合は「育休代替臨時職員」というのですね。結局は同じ人物ですけどね。
第6条~第9条は省略します。
第10条(勤務時間)
1 臨時職員の勤務時間は、1日7時間45分かつ週38時間45分又は週29時間以内とし、その割り振りは所属長が行うものとする。
以下の条文は省略します。
臨時職員まとめ
臨時職員とは、
・地方公務員法第22条で定められた職で、①緊急の場合、②臨時の職に関する場合又は③採用候補者名簿がない場合の、6月を超えない期間での「臨時的任用」によるもの。
・育児休業法第6条で定められた職で、「任期付採用」によるものと、「臨時的任用」によるものがある。
・教員には臨時的任用はあるが臨時職員はない。臨時職員とは事務職員や技術職である。
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非常勤職員とは何か?非常勤講師とは?
非常勤職員とは?
では次に、非常勤職員の定義について調べてみましょう。
○○教育委員会に属する非常勤職員取扱要綱
第1条(趣旨)
この要綱は、非常勤職員の取扱に関し、必要な事項を定めるものとする。
第2条(定義)
この要綱で非常勤職員とは、常時勤務することを要しない職員のうち次の各号に掲げる職員以外のものをいう。
(1)地方公務員法第3条第3項第1号から第2号まで及び第4号から第5号まで規定する職にある職員並びに第3号に規定する職員のうち非常勤の講師の任用等に関する要綱、初任者研修に係る非常勤職員の派遣等に関する要綱及び市町村教育委員会に派遣する非常勤職員の任用等に関する要綱により任用される非常勤講師
(2)地方公務員法第22条第2項及び地方公務員の育児休業等に関する法律第6条第1項の規定により臨時的に任用された職員
おやおや、するとこの定義は、教員ではない職の非常勤職員のようですね。
それでは「非常勤の講師の任用等に関する要綱」を見てみましょう。
非常勤の講師の任用等に関する要綱
第1(趣旨)
この要綱は、地方公務員法第3条第3項第3号に該当する非常勤の講師の任用及びその身分取扱い等に関して必要な事項を定めるものとする。
第2(定義)
この要綱において「非常勤講師」とは、1週間の勤務時間が一般の正規職員の1週間の4分の3以内の者であって、次に掲げるものをいう。
(1)学校教育法に規定する教諭又は助教諭に準ずる職務に従事するもの。
(2)地方公務員の育児休業等に関する法律第10条第1項の規定により育児短時間勤務をする教育職員の業務を処理するための職務に従事するもの。
(3)教育職員免許法第3条の2第1項第3号、第5号及び第6号の規定に基づき、教科等の領域の1部に係る事項について教授又は実習を担当する職務に従事するもの。
(4)地方公務員法第28条第2項第1号の規定に基づく休職から復帰した職員の業務を支援する職務に従事するもの。
通常の非常勤講師の先生は(1)に該当するのでしょう。
(2)は、育児短時間勤務の形態によって5種類の場合があるものです。正規の職員が勤務しない時間帯は、非常勤の職員(教員)が勤務するのですね。
(3)は、教育職員免許法第3条の2が「免許状を要しない非常勤の講師」という条文です。
「次に掲げる事項の教授又は実習を担任する非常勤講師については、前条の規定にかかわらず、各相当学校の教員の相当免許状を有しないものを充てることができる。」
とあって、次の項には、小学校、中学校、高等学校、中等教育学校の、教科に関する免許状の種類について、「次の第4条に係る事項」とあるのです。
内容が複数の条文にまたがっていて、何のことなのかよくわからないのが正直なところです。
教科の領域の「一部」だけに係る事項であれば、非常勤講師でも免許状を要しないということでしょうか。
「前項の規定にかかわらず、各相当学校の教員の相当免許状を有しないものを充てることができる。」とは、いったい何のことなのでしょうか。教員を非常勤講師に充てるとは、どういうことなのでしょう?
ちょっとわからなくなってきたので、免許状のことについては別の機会に譲ります。
第3(任用)は省略します。
第4(任期)
講師の任期は、1年以内とする。
第5~第10は省略します。
第11(勤務時間)
1 講師の勤務時間は、1週間を単位として、一般の正規職員の1週間の勤務時間の4分の3を超えない範囲内で定める。
2 行使の勤務時間の割振りは、校長が行う。
3 講師の勤務時間は、月曜日から金曜日までの間に割り振るものとする。
4 勤務時間を1週間を単位として定めることができない場合は、適当な期間を単位として当該期間内の勤務時間を割り振るものとする。
5 以下省略します。
次の条文以降も省略します。勤務条件の続きが書かれています。
非常勤職員・非常勤講師まとめ
・「非常勤講師」とは、1週間の勤務時間が一般の正規職員の1週間の4分の3以内の者である。
つぎのようなものがある。
・教諭又は助教諭に準ずる職務に従事するもの。(これがいちばん一般的か?)
・育児短時間勤務をする教育職員の業務を処理するための職務に従事するもの。
・教科等の領域の1部に係る事項について教授又は実習を担当する職務に従事するもの。
・休職から復帰した職員の業務を支援する職務に従事するもの。
いや~、臨時的任用からこだわってしまいました。
次回は次に進みます。
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