通知、通達、訓令、諮問、答申

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これらの用語については、以前からどういう意味なのかわからず通り過ぎてきました。
ここで改めて調べてみたいと思います。

 

引用は、「国立国会図書館」の「リサーチ・ナビ」です。

 

 

 

通知とは

 

特定人又は不特定多数の人に対して特定の事項を知らせる行為。

 

(例)連続して欠席し連絡が取れない児童生徒や学校外の集団との関わりの中で被害に遭うおそれがある児童生徒の安全の確保に向けた取組について(通知)
26文科初第1479号,平成27年3月31日

 

(例)学校における補助教材の適切な取扱いについて(通知)
26文科初第1257号,平成27年3月4日

 

教育に関しては、「文部科学省が、教育委員会や学校に特定の事項を知らせる行為」「通知」と呼ぶのですね。これらは「命令」ではなく「指導・助言」といった性質のものです。

 

なぜなら、文部科学省と教育委員会は、上下の関係にないので、指示・命令は出せないからです。

 

ところが最近、教育の「文科省ホールディングス化」が・・・
たとえば、教員免許の国家資格化とか・・・
現在、教員免許は各都道府県で出しているんですよね。
これが国から出されたものになると・・・
すべての教員は国の命令に従わなくてはならなくなるのでしょうか・・・

 

話がそれてしまいました。

 

 

通達とは

 

各大臣、各委員会及び各庁の長官が、その所掌事務に関して所管の諸機関や職員に命令又は示達する形式の一種。法令の解釈、運用や行政執行の方針に関するものが多い。

 

訓令とは

 

上級官庁が、下級官庁の権限の行使を指揮するために発する命令。

 

 

通達と訓令は、「命令」であるということですね。
前に書いたように文部科学省と教育委員会には上下関係はありませんから、文部科学省から教育委員会に通達や訓令は来ないということです。

 

しかし、都道府県において、教育委員会から出される「訓令」はあります。

 

また、教育長が学校長宛に出しているものは、「通知」や「通達」とは書いていませんが、通知や通達になるのでしょうね。

 

「第●●号教育長」とあるものです。

 

表題に・・・・(通知) と書いてあればわかりやすいですね。

 

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諮問とは

 

問いたずねること。上の者が下の者に相談すること。(国語辞典より)
一定の問題について、あらかじめ学識経験者などの意見を公的に求めること。(漢和辞典より)

 

「諮」の意味は、言(ことば)と咨(相談する)をあわせて、ざっくばらんに話し合う意味を表すのだそうです。

 

 

答申とは

 

上官の問いに答えを申し述べること。(国語辞典より)
役所や目上の人からの質問に答えを申し述べること。(漢和辞典より)

 

中央教育審議会は、文部科学大臣の諮問機関です。1952年(昭和27年)に設置されました。その後省庁の改変などに伴い、2001年(平成13年)に改組されました。

 

昔あった、臨時教育審議会は、内閣総理大臣の諮問機関でした。

 

これらの審議会が、大臣の諮問に対して答申するのですね。
でも大臣が上で、中教審が下という上下関係があるのですか。
中教審のメンバーは、大臣よりも上のような方もいるような気がしますが。

 

まとめ

 

文書を出す側と、受け取る側に、上下関係があるかどうかで、文書の性質が変わってくるのですね。
「通知」は上下関係がない。
「通達」「訓令」は上から下へ。

 

都道府県や市町村の教育委員会と、文部科学省などの国の機関には、上下関係はないのです。
これって重要ですよね。

 

ほかの部署も同じで、要するに地方自治体と国は、上下関係はなく、対等なのだということです。

 

以前、震災のときに新しく大臣になった人が、災害を受けた県を訪問したときに、知事に対して軍隊のように横柄に振舞って、すぐにクビになったことがありましたね。

 

自分は知事より立場が上だと思っていたのでしょう。

 

 

 

でも、教育委員会と教職員には、上下関係はあるのですよ。
職務命令は絶対なのです。

 

よく覚えておきましょう。

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