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4 学習指導要領の改訂とカリキュラムマネジメント
学習指導要領の改訂とカリキュラムマネジメント
今回も次の本からの抜粋になります。
【中古】 「読解力」とは何か PISA調査における「読解力」を核としたカリキュラムマネジメント /横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校FYプロジェクト(編者) 【中古】afb
シリーズ物の1冊目の最後です。「読解力」がテーマの本ですが、カリキュラム・マネジメントの部分が大変参考になります。
カリキュラム・マネジメントの必然性とは
カリキュラム・マネジメントの必然性とは
日本の学校教育においては、教育課程がカリキュラムとして位置づけられてきた。教育課程ということを国が示した基準として学習指導要領がある。
平成17年10月26日に出された中央教育審議会答申をもとに、新しい学習指導要領が作成される。そのことについて、次のように示されている。
イ 学習指導要領の見直し
〇 義務教育の目標を明確化するため、学習指導要領において、各教科の到達目標を明確に示すことが必要である。
また、学習の評価についても、目標に照らして子どもたちのより確実な修得に資するようにすることなど、具体的な評価の在り方について今後検討が必要である。
〇 学習指導要領は、すべての児童生徒に対して指導すべき内容を示す基準であり、学校においては、必要がある場合には、これに加えて指導することができるものである。国民として共通に学ぶべき学習内容を明確に定めた上で、学校ができるだけ創意工夫を生かして教育課程を編成できるようにすることが求められる。
ここに、これからの時代において、各学校でカリキュラムマネジメントを行うことの必然が示されている。
学習指導要領に示される内容を基に、各学校の創意工夫によってカリキュラムの作成が求められている。
そのことは、学校における教育活動の総体としてのカリキュラムをいかに構成するかということであり、さらに、地方分権の時代といわれている今日の学校教育において、各学校独自のカリキュラムを創っていくことが求められていることでもある。
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中央教育審議会教育課程部会から
中央教育審議会教育課程部会から
文部科学省事務局は、平成17年10月24日の中央教育審議会教育課程部会に「教育課程部会の当面の検討課題(例)における論点についての整理の例(試作)」を示した。
新しい学習指導要領の内容の整理として、以下の三つを示している。
Ⅰ 義務教育終了段階において子どもたちに身につけさせたい基礎的・基本的な知識・技能等
1.社会的に自立していくために、実生活において不可欠な知識・技能
2.義務教育段階及びそれ以降の学習を進めていく上での共通の基礎となる知識・技能
Ⅱ 義務教育終了段階において、子どもたちに身につけさせたい能力
1.知識・技能を実社会の中で活用する能力
Ⅲ 関心・意欲・態度など
上記のⅠ~Ⅲは、各教科に共通するものである。この整理によって示された内容は、まさに、カリキュラムとしての構成要素である。
特に「Ⅱ 義務教育終了段階において、子どもたちに身につけさせたい能力」では、各学校の生徒の実態に合わせた内容として、各学校の創意工夫がされたカリキュラム構成を行いたい。
これらの構成要素を各学校の実態に合わせ、その全体像として各学校の特徴を生かした教育を行うためにも、カリキュラムマネジメントという考え方が、これからの学校教育にとって重要な課題となっているのである。
まとめ
まとめ
平成17年にすでにカリキュラムマネジメントの考え方が示されていたということですね。
「カリキュラムマネジメント」という用語は中教審ではまだ出てきていないようですが、各学校の創意工夫がされたカリキュラムを構成することが求められています。
これがまさにカリキュラム・マネジメントということだったのです。
次回は2冊目の本から、カリキュラム・マネジメントについて深掘りしていきます。
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