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校長の代理・代行とは?
代理・代行・代決・専決も副校長・教頭の職務ですね。
まず学校教育法の条文を見てください。
学校教育法37条(校長、教頭、教諭その他の職員)
⑥副校長は、校長に事故があるときはその職務を代理し、校長が欠けたときはその職務を行う。この場合において、副校長が二人以上あるときは、あらかじめ校長が定めた順序で、その職務を代理し、又は行う。
⑧教頭は校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)に事故があるときは校長の職務を代理し、校長(副校長を置く小学校にあつては、校長及び副校長)が欠けたときは教頭が校長の職務を行う。
あなたはこれを読んで理解できますか?
「校長の職務を代理する」ということと、「校長の職務を行う」というのは何が違うのでしょうか?
詳しく見て行きましょう。
代理とは?
まず「校長に事故があるとき」とは、どんなときなのでしょうか。
・長期の海外主張のとき
・海外旅行のとき
・休職または長期にわたる病気のとき
などの場合があります。
こういうときは校長は職務を執行できませんし、学校では校長の指示が得られません。
この場合は、副校長(教頭)が校長の職務代理者として、校長の職務を「代理」することになります。
たとえば、代わりにしなければならないことの例としては、
・児童生徒の懲戒
・入学の許可
・課程修了の認定
・卒業証書の授与
などがあります。この場合、副校長(教頭)が職務「代理」者として自己の名で行うのです。
(このことは法令で決まっているものはないのだろうか。県の法令だろうか。)
このとき、何かがあった場合誰の責任になるのかということですが、それは校長の責任になります。
この「責任」のことを「効果」というのだそうですが、次のようにまとめられます。
・校長に事故があるときは、副校長(教頭)は職務を代理することができる。代理の効果(責任)は校長に帰属する。
行為自体は副校長(教頭)が行うのですが、行為の「効果」は校長にあります。
すると、代理で行ったときには、最後に「校長 ○○○○ 代理 副校長○○○○」なんていうのかもしれませんね。
あなたは、副校長や教頭になったら、このようなことを校長の代わりに「代理」できますか?
代行とは?
次に、「校長が欠けたとき」とは、
・校長が死亡
・退職
・免職
・失職
などの場合があります。後任もまだ決まっていません。
校長が欠けた時は、校長が存在しないので、「代理」ではなく「代行」になるのだそうです。
代行は、校長の本来の職務権限の全体にわたり、後任者の発令までの期間、職務代行者として、副校長(教頭)の名で行います。
でも、学校教育法には「代行する」とは書いておらず、「行う」と書いてあることに注意してくださいね。
また、副校長(教頭)が2人以上いるときは、あらかじめ校長が定めた順序で代理・代行することになっています。
代行についてまとめると次のようになります。
・校長が欠けたときは副校長(教頭)がその職務を行う。校長が実際に存在しないため、代行の効果(責任)は副校長(教頭)に帰属する。
代理、代行の報告はするのか?
「代理」「代行」いずれにしても、実際こういうことになれば、教育委員会とよく相談して進めなければなりませんね。また、事後にも教育委員会にきちんと報告しなければなりません。
以前私が知っている校長先生が、ガンで卒業式直前に亡くなったことがあります。
このときは卒業証書は誰の名前で作成していたのでしょうね。
校長先生の名前で作成していたとすれば、全部書き直したのかな?
でも直前まで書かないでおいたのかな?
教育委員会への報告などの法的なことはここでは省略します。
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代決・専決とは?副校長(教頭)が認められているのはどんなことか?
代決とは?
代理の時は、校長が長期に不在というイメージがあったのですが、代決は違うようです。
校長が不在のときに、副校長(教頭)が校長の名において校長に代わって至急に事案の決裁をすること。
代決した内容については、速やかに校長に報告し、承認を求めなければなりません。
まとめると次のようになります。
・校長不在時に、副校長(教頭)が校長(副校長)の職務について至急に事案の決定を行うことを代決という。
専決とは?
・・・国語辞典によれば「ひとりの考えで決めること」
校長の在・不在にかかわらず、校長の権限に属する事務を、特定の軽易な事案などのあらかじめ認められた範囲内において、校長に代わって常時決裁すること。ただし、「委任」または「代理」と異なり、その効果は内部的意思決定にとどまるものである。
ちょっと難しいですね。
まとめると次のようになります。
・特定の軽易な事案を校長(副校長)に代わって副校長(教頭)が行うことを専決という。
まとめ
・「代決」「専決」ともに教頭の職務である「校長を助け」の一環として行われるもの。
・校長の職務執行を内部的に執行するもの。
・校長の名で、校長の行為として行われ、その行為の責任も直接校長にあるもの。
つまり、
・「代理」は校長に代わって「校長の名で」副校長(教頭)が行うもの
・「代行」は校長に代わって「副校長(教頭)の名で」副校長(教頭)が行うもの
それに対して
・「代決」「専決」は校長に代わって「校長の名で」副校長(教頭)が行うもの
・「代決」は至急のもの
・「専決」は軽易なもの
ということですね。
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