インクルーシブ教育システムとは

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インクルーシブ教育システムとは

インクルーシブ教育システム

 

「インクルーシブ教育システム」とは、一言で言うと障害のある者と障害のない者が、ともに学ぶ仕組みのことです。

 

平成24年7月、中央教育審議会初等中等教育分科会から、「共生社会の形成に向けた、インクルーシブ教育システム構築のための特別支援教育の推進(報告)」が提言されました。

 

この報告の中で、次のようなことが指摘されました。

 

インクルーシブ教育システムにおいては、同じ場でともに学ぶことを追求するとともに、その時点で教育的ニーズにもっとも的確に応える指導を提供できる、多様で柔軟な仕組みを整備すること、そのために通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校といった連続性のある「多様な学びの場」を用意しておくことが必要である。

 

さて、「多様な学びの場」については、理解できます。
通常の学級、通級による指導、特別支援学級、特別支援学校
これらが「多様な学びの場」にあたります。

 

そして、その前の部分にある「連続性のある」とは、どういう意味なのでしょうか。

 

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多様な学びの場の連続性とは

連続性とは

 

「障害のある子も、障害のない子も同じ教育の場でともに学ぶ」ということを追求するわけですから、個別に教育的ニーズのある児童生徒に対して、「その時点で」教育的ニーズにもっとも的確に応える指導を提供できる必要があります。そのためには、多様で柔軟な仕組みを整備することが重要です。

 

現在の義務教育における学びの場は、上記にあるような4つのもののほかに、さらに連続的なものを加えると次のようになるようです。

 

↑1 自宅・病院における訪問学級

 

↑2 特別支援学校

 

↑3 特別支援学級

 

↑4 通級による指導

 

↓5 専門的スタッフを配置して通常学級

 

↓6 専門家の助言を受けながら通常学級

 

↓7 ほとんどの問題を通常学級で対応

 

1~4は必要のあるときのみ1に近いほうへ進む
5~7は可能になり次第7に近いほうへ進む

 

4と5の間におおきな環境の変化があると私は思いますが、そこを連続的にいつでも的確に応えることができるように整備しておくということでしょうか。

 

今通っている学校では対応できないことでも、隣の学校ならできるからといって、変わることはできるとしても、子どもにとってはどうなのでしょうか。

 

通常の学級でも、先生が頻繁に変わることは、生徒にとっても慣れないことだと思うのですが、環境も大きく変わることは子どもにとってどうなのでしょうか。

 

教育的ニーズというのは誰が決めているものなのでしょうか。そのひとが変えるといえば変わるものなのでしょうか。

 

5の専門的スタッフには、教員の加配のほかにスクールカウンセラー、スクールソーシャルワーカー、ST(言語聴覚士)、OT(作業療法士)、PT(理学療法士)、看護師などがあるようですが、突然必要になったとき、予算の面はどうなっているのでしょうか。

 

教育課程の違いはどうするのでしょうか。

 

わからないことはたくさんあります。管理職はこのようなことを常に考えていなくてはならないということでしょうか。

 

このへんにしておきます。

 

 

まとめ

 

ここではとにかくインクルーシブ教育システムとは何かについて、きちんと理解することにします。

 

再度確認しておきます。

 

インクルーシブ教育システムとは、

 

「障害のある子も、障害のない子もともに『同じ教育の場で』学ぶ仕組み」

 

です。

 

「インクルーシブ教育システム」という言葉が出てきたのは、「障害者の権利に関する条約第24条」のようです。次のようにあるようです。

 

「インクルーシブ教育システム」(inclusive education system、署名時仮訳:抱擁する教育制度)とは、人間の多様性の尊重等の強化、障害者が精神的および身体的な能力等を可能な最大限度まで発達させ、自由な社会に効果的に参加することを可能とするとの目的の下、障害のあるものと障害のないものがともに学ぶ仕組みであり、障害のある者が「general education system」(署名時仮訳:教育制度一般)から排除されないこと、自己の生活する地域において初等中等教育の機会が与えられること、個人に必要な「合理的配慮」が提供される等が必要である。

 

これ以上のことは、別の機会に詳しく見て行きます。
以上のことは、教育法規に関することではなく、中教審から出された報告によるものなのです。

 

最近、中教審はこの特別支援教育のほかにも、高大接続改革など、いろいろやってくれます。

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