カリキュラム・マネジメントとは|わかりやすく解き明かしていきましょう。

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カリキュラム・マネジメントとは

カリキュラム・マネジメントとは

 

平成30年に告示された学習指導要領では、「カリキュラム・マネジメント」という用語があちこちに現れます。

 

そもそも、「カリキュラム・マネジメント」とは、いったいどんなことなのでしょうか。

 

今回は、それを解き明かしていきましょう。

 

初心者でもわかるまで説明しますよ。

学習指導要領の中の「カリキュラム・マネジメント」の定義とは

学習指導要領の中の「カリキュラム・マネジメント」の定義

 

学習指導要領の中では、次のように記述されています。

 

各学校においては,生徒や学校,地域の実態を適切に把握し,教育の目的や目標の実現に必要な教育の内容等を教科等横断的な視点で組み立てていくこと,教育課程の実施状況を評価してその改善を図っていくこと,教育課程の実施に必要な人的又は物的な体制を確保するとともにその改善を図っていくことなどを通して,教育課程に基づき組織的かつ計画的に各学校の教育活動の質の向上を図っていくこと(以下「カリキュラム・マネジメント」という。)に努めるものとする。

 

学習指導要領では、これが「カリキュラム・マネジメント」の定義となっています。

 

でも、これでは何のことなのかよくわかりませんよね。

 

具体的なことが書かれていません。

 

カリキュラム・マネジメントとは|わかりやすく解き明かしていきましょう。

 

学習指導要領解説では次のようになっています。

 

第6款 学校運営上の留意事項

 

1 教育課程の改善と学校評価,教育課程外の活動との連携等

 

ア 各学校においては,校長の方針の下に,校務分掌に基づき教職員が適切に役割を分担しつつ,相互に連携しながら,各学校の特色を生かしたカリキュラム・マネジメントを行うよう努めるものとする。また,各学校が行う学校評価については,教育課程の編成,実施,改善が教育活動や学校運営の中核となることを踏まえ,カリキュラム・マネジメントと関連付けながら実施するよう留意するものとする。

 

これって、読む人がすでに「カリキュラム・マネジメント」のことを熟知しているような書き方です。

 

学習指導要領解説の中では、「カリキュラム・マネジメント」という言葉は、すでに浸透しているものとして書かれているようです。

 

そして、しきりに「カリキュラムマネジメントの充実という表現が何度も何度も出てくるのです。

 

いったい「カリキュラム・マネジメントの充実とは何なのでしょうか。

 

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「カリキュラム・マネジメント」の始まり

「カリキュラム・マネジメント」の始まり

 

最近の「カリキュラム・マネジメント」の本は、学習指導要領と同じように、すでに「カリキュラム・マネジメント」を知っているかのように書かれています。

 

そこで、かなり昔にさかのぼって「カリキュラム・マネジメント」が出てきたころの本を探してみました。

 

すると、次の本が見つかりました。

 

【中古】 「読解力」とは何か PISA調査における「読解力」を核としたカリキュラムマネジメント /横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校FYプロジェクト(編者) 【中古】afb

 

 

もう販売されておらず、中古でしか手に入らないようです。

 

図書館で見つけてきました。

 

以下、この本からの抜粋です。

 

カリキュラム・マネジメントとは|わかりやすく解き明かしていきましょう。

カリキュラムマネジメントについて

カリキュラムマネジメントについて

 

1 カリキュラムを各学校で創ることの意味

 

カリキュラムとは、学校教育において教育の目標を実現するために意図的計画的に構成された教育活動の総体であり、教育の過程全体を示す概念でもある。さらに、このような顕在化されたカリキュラムの他にも、潜在的なカリキュラムも対象とすることもある。

 

このように、カリキュラムの概念は広く、学校教育における教育活動そのものということもできよう。カリキュラムを考えるということは、教育活動を総合的にとらえるということでもある。

 

このカリキュラムは、これまでにも教育界において用いられてきた用語であるが、最近、特にこの用語が注目されるようになったのは、教育内容の創意工夫を各学校ごとに行うことが求められるようになってきたからである。

 

このことは、中央教育審議会が平成17年10月26日に出した「新しい時代の義務教育を創造する」と題する答申の「序章 義務教育の質の保証・向上のための国家戦略」の次の記述にも認められる。

 

 

③地方・学校の主体性と創意工夫で教育の質の向上を図るため、国がナショナル・スタンダードを設定しそれが履行されるための財源保障など諸条件を整備したうえで、市区町村が行うべきことは市区町村が、学校が行うべきことは学校が担うシステムを確立する。学校は、自主性・自律性の確立のため、権限と責任を持つとともに、保護者・住民の参画と評価で透明性を高め説明責任を果たすシステムを確立する。

 

カリキュラム・マネジメントとは|わかりやすく解き明かしていきましょう。

 

ここに述べられていることには、地方分権化の中で各学校においても、学校の主体性と創意工夫によって、それぞれの学校が特徴をもち、その中で教育の質を高めることが求められている。各学校ごとにカリキュラムを創ることの意味は、ここにある。

 

教育課程としての学習指導要領を規準としつつ、学校の自主性・自立性のもとに作成されるカリキュラムは、各学校の地域性や状況に適したものでなくてはならない。日本全国の学校が、一律のカリキュラムによって学校が営まれているのではない。生徒一人一人が異なり、それを指導する教師も異なり、また、学校という環境や状況が異なる中で、それぞれの学校が営まれている。

 

それぞれの学校における異なりは、各学校の個性というべきものでもある。この個性をいかに生かし、各学校ごとの特徴をいかに生かすかの取り組みが、カリキュラムマネジメントである。

まとめ

まとめ

 

カリキュラムマネジメントが注目されだした、2006年に出版された本です。

 

【中古】 「読解力」とは何か PISA調査における「読解力」を核としたカリキュラムマネジメント /横浜国立大学教育人間科学部附属横浜中学校FYプロジェクト(編者) 【中古】afb

 

 

 

学習指導要領は日本全体の学校が行う教育活動を統一してまとめたものという認識であったものでした。

 

それが、教育内容の創意工夫を各学校ごとに行うことが求められてきた、ということです。

 

各学校ごとにカリキュラムを創ってよいことになってきたのです。

 

次回はさらに「カリキュラム・マネジメント」を深掘りしていきます。

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