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今回の内容
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協同学習がつくるアクティブ・ラーニング / 杉江修治 【本】
これまでは、かなり辛口の筆者の意見でした。
今回は、一斉授業でのアクティブ・ラーニングは可能なのかどうかについて述べられています。
一斉授業はアクティブ・ラーニングにならないと考えている先生方には、視点が変わる内容です。
今回の内容
・ある荒れた中学校での授業
・アクティブな学習活動を促す一斉形態の授業
・一斉形態に何を組み合わせればよいか
一斉講義でもアクティブな学びに近づくことはできる
ある荒れた中学校での授業
筆者が荒れ気味の中学校の授業を参観した時のことだそうです。
授業の準備に追われているためか、すべての授業が一斉授業で進められていたそうです。
生徒たちは、体を背もたれに預けて、漫然と講義を聞いていたそうです。その姿は意欲を持って学習しているものではありません。
しかし、その中でも1クラスだけ生徒全員が身を乗り出して先生の講義に聞き入っているクラスがあったそうです。
理科の授業だったそうですが、他の授業と何が違っていたのでしょうか。
いくつか挙げてみると、
・先生の講義がわかりやすい
・話の筋がはっきりしている
・内容が興味深い
・教師の熱意が伝わる
全員が身を乗り出して講義を聞いている様子だったので、その授業がアクティブ・ラーニングにつながっていく道筋にあるものだと、筆者は感じたそうです。
さらに、
・意欲的に学ぼうという生徒の構えはアクティブである。
・教師の講義から、一人ひとりが学び取ろうとしている。
・きちんと学べる仕掛けを教師が準備している。
以上がそろっていれば、学習意欲まで含む学習成果が期待できると筆者は言います。
しかし、ここまでで筆者はこの授業が「アクティブ・ラーニングである」とは言っていません。
アクティブ・ラーニングにつながっていく、といっています。
どういうことでしょうか。
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アクティブな学習活動を促す一斉形態の授業
アクティブな学習活動を促す一斉形態の授業
一斉授業が、アクティブな学習活動を促すには、まず
・教師の講義のわかりやすさが重要。
・その授業の内容の価値もしっかりと伝えておくべきである。
・今日の学びがどこにつながるのか、事前に子供に伝えておくべきである。
ということが大切であり、つまり「生徒側の学びの構え」をつくることが大切ということなのだそうです。
授業中の発問についても述べられています。
・発問は即答できるようなつまらない内容は避けるべき。
・全員が考える時間を必要とするような問いが良い。
・発問後には子供たちが考えるための適切な時間を与える「溜め」が必要。
なるほど「溜め」が大事なのですね。
一斉形態に何を組み合わせればよいか
一斉形態に何を組み合わせればよいか
最後に、「教師の構え」について
・子供たちが知りたい、成長したいという要求に応えること。
・「わかった!」という感動を弾みにして、次は「説明できた!」という経験までもっていきたいこと。
そのために
・一斉形態にさらに仲間との相互作用を適切に組み合わせること。
・説明の交流などを入れ込む。
そうすれば、アクティブ・ラーニングが求めている学力形成につながっていくのだそうです。
まとめ
まとめ
いろいろたくさんの要素が入っていて難しそうですが、次のことに絞ってみました。
・きちんと学べる仕掛けを教師が準備している。
・その授業の内容の価値もしっかりと伝えておくべきである。
・今日の学びがどこにつながるのか、事前に子供に伝えておくべきである。
・発問は即答できるようなつまらない内容は避けるべき。
・発問後には子供たちが考えるための適切な時間を与える「溜め」が必要。
・説明の交流などを入れ込むこと。
要するに
①授業の準備をしっかりする。
②授業の最初に、本日の内容を告げる。
③発問をよく練る。即答できる発問は不可。
④説明の交流をする場面を作る。
こういうことかな。なんだか基本的ですね。
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