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学びに向かう意欲のあること
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協同学習がつくるアクティブ・ラーニング / 杉江修治 【本】
アクティブ・ラーニングを実践するとき、「アクティブ・ラーニングの方法」が目標ではないことは前にも書かれていました。
ではどんなことを前提にアクティブ・ラーニングを実践すればよいのでしょうか。
「用語集」の重要な箇所とは
前に出てきた文部科学省の「用語集」。この中に実は重要な箇所があります。それは「学修者の能動的な学修への参加」という部分です。
【再掲】用語集
教員による一方向的な講義形式の教育とは異なり、学修者の能動的な学修への参加を取り入れた教授・学習法の総称。学修者が能動的に学修することによって、認知的、倫理的、社会的能力、教養、知識、経験を含めた汎用的能力の育成を図る。発見学習、問題解決学習、体験学習、調査学習等が含まれるが、教室内でのグループ・ディスカッション、ディベート、グループ・ワーク等も有効なアクティブ・ラーニングの方法である。
この内容は、「一方向的な講義形式」だけに終始することは否定しています(「異なり」と言っている)。しかし、必ずしも「講義」を否定しているわけではありません。
子どもが能動的に学びに臨む一番の条件とは
子どもが能動的に学びに臨む一番の条件とは「学びがい」です。心理学用語でいえば「モチベーション」。教育の用語でいえば「意欲をかきたてる仕かけ」です。
1時間の授業の内容が「学びがい」があると子どもが理解すれば、子どもは学ぼうとします。
それは大学生でも同じです。
アクティブ・ラーニングを実践するポイントとは
アクティブ・ラーニングには「学びがい」「モチベーション」「意欲をかきたてる仕かけ」が必要です。
アクティブ・ラーニングを実践するポイントとは、「学びに向けて気持ちをアクティブにさせる」ことなのです。
では、どうすれば「学びに向けて気持ちをアクティブにさせる」ことができるのでしょうか。
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2つの人間性原理
教育に際しての2つの人間性原理
筆者は、教育に際して2つの人間性原理を前提にすべきであるといいます。
1つ目は「人は誰もが成長したいと願っている」ということ。
2つ目は「人は誰もが他人とよい関係を持ちたいと願っている」こと。
授業はこの2つの原理をしっかり踏まえて進めることが必要だと筆者は述べています。
めあての意義と成功体験
成長の可能性を感じるには、授業のめあてが大切です。
なぜなら、めあての意義がはっきりすれば、子どもは成長可能性を感じて、そこに向かおうとするからです。
さらに、授業の中にさまざまな成功体験を入れることも大切です。
なぜなら、成功体験が仕組まれていれば、子どもは自信を持って次も挑戦しようとするからです。
問題が「できた」「できなかった」だけだと「できなかった」子どもがくじけてしまいますが、「頑張った」という視点を入れ込めば、次へ取り組みにつながると筆者は言います。
これが「人は誰もが成長したいと願っている」ということを前提に授業をする必要がある理由です。
学びを支え合う仲間の存在
学びを支え合う仲間の存在も大きいと筆者は言います。
なぜなら、アクティブな学びを作るには、教材の工夫だけでは仕掛け不足だからです。
「学習集団」作りが、アクティブな学びを支える重要な基盤になると筆者は言います。
一人ひとりが意欲を持って学びに向かうことを認め合っている学習集団
わからない仲間がいてよいわけではないと考える学習集団
仲間を高める意識を持って話し合える学習集団
仲間が全員自分の応援団になる。
それは子どもが前に進める大きな力をくれるはずだと筆者は言います。
これが「人は誰もが他人とよい関係を持ちたいと願っている」ことを前提に授業をする必要がある理由です。
まとめ
まとめ
この章は、かなり難しいことが書かれていると感じます。
授業に対しても、相当高度な内容が求められています。
書かれている内容に加えて、自分なりに文章を補って読んでいかないと追いついていけません。
関連ページ
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- アクティブラーニングの目的について詳しく調べてみましょう。
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