懲戒とは

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児童生徒の懲戒は法的にどのようになっているのか

法的根拠

 

退学や停学、謹慎処分などは、法的にどのように定められているのでしょうか。
必ず覚えておかなければならない法令に、次の法律があります。

 

学校教育法11条(児童、生徒等の懲戒)
校長及び教員は、教育上必要があると認めるときは、文部科学大臣の定めるところにより、児童、生徒及び学生に懲戒を加えることができる。ただし、体罰を加えることはできない。

 

「文部科学大臣の定めるところにより」の部分は、もう少し深く掘り下げて理解する必要がありそうです。
「懲戒を加える」というのも、どんなことを指しているのでしょうか。

懲戒とは何か?

懲戒とは

 

「懲戒」は、生徒指導上、生徒の問題行動を反省させて立ち直りを図り、正常な生活を送るために行なわれるもの。
懲戒には、「法的効果を伴わない懲戒」と「法的効果を伴う懲戒」があります。
「懲戒を加える」とはこのどちらかを行うことです。

 

どちらに対しても次のように定められています。
学校教育法11条の「文部科学大臣の定めるところにより」とは、省令である「学校教育法施行規則」のことなのですね。

 

学校教育法施行規則26条(懲戒)
1 校長及び教員が児童等に懲戒を加えるにあたっては、児童等の心身の発達に応ずる等教育上必要な配慮をしなければならない。

 

「法的効果を伴わない懲戒」は、「事実行為としての懲戒」とも言います。この懲戒は、教育上の必要があるときに、校長や教員が児童生徒を叱責する行為で、たとえば、「特別指導(謹慎等)」や口頭での注意、宿題を多くする、掃除当番をするなどさまざまな方法があります。ただし、体罰や体罰に当たる叱責行為は禁止です。
これらはいわば教育的配慮に基づくものともいえます。
(備考)「事実行為としての懲戒」という言い方は、おそらく文部科学省通知「高等学校における生徒への懲戒の適切な運用について」の中にあるのですね。ネットで探してみたのですが、この通知は見つからず、文部科学省初等中等教育局児童生徒課長通知21初児生第30号「高等学校における生徒への懲戒の適切な運用の徹底について(通知)」で見つけました。

 

「法的効果を伴う懲戒」は、児童生徒の、教育を受ける地位や権利、在学関係や身分に変動をもたらすものです。すなわち、在学関係や身分に法的な影響を与える「懲戒処分」になります。たとえば、退学、停学、訓告などがあります。

 

2つの懲戒を、もう少し詳しく見てみましょう。

 

「法的効果を伴わない懲戒」の「特別指導(謹慎等)」は法律には何も定められていません。本人と保護者の理解を得ながら、学校の支援の下で、学校生活を再開できるように配慮された特別なものなのです。
法的効果を伴わない家庭謹慎や学校謹慎は、法的な措置である「懲戒処分」とははっきりと区別しなければなりません。

 

「法的効果を伴う懲戒」いわゆる「懲戒処分」は、次のように学校教育法施行規則で定められています。

 

学校教育法施行規則26条(懲戒)
2 懲戒のうち、退学、停学及び訓告の処分は、校長が行う。

 

校長先生しか行うことができないのですね。「申し渡し」は必ず校長がしなければならないようです。(不在のときは教頭が代理でしょうか?)

 

退学は、公立の義務教育学校では認められていません。それ以外の学校(私立の義務教育学校、高等学校)で行なわれます。次のように学校教育法施行規則で定められています。

 

学校教育法施行規則26条(懲戒)
3 前項の退学は、公立の小学校、中学校又は特別支援学校に在学する学齢児童又は学齢生徒を除き、次の各号のいずれかに該当する児童等に対して行うことができる。
  1 性行不良で改善の見込みがないと認められる者(性行不良)
  2 学力劣等で生業の見込みがないと認められる者(学力劣等)
  3 正当の理由がなくて出席常でない者(出席常でない者)
  4 学校の秩序を乱し、その他学生又は生徒としての本分に反したもの(学校秩序を乱す者)

 

停学については第4項に定められています。

 

学校教育法施行規則26条(懲戒)
4 第2項の停学は、学齢児童又は学齢生徒に対しては、行うことができない。

 

退学については、公立の義務教育学校ではできず、私立ではできました。
停学については、公立私立問わず、国立でも、学齢児童生徒にはできないのですね。

 

つづく

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加  

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