指導が不適切な教員。指導改善研修。

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まずは法的根拠から

法的根拠

 

全文を書くと長くなるので、まとめます。

 

教育公務員特例法25条の2(指導改善研修)

 

1 任命権者は、児童生徒への指導が不適切であると認定した教員に対して、その能力、適性等に応じて、指導改善研修を実施しなければならない。

 

2 指導改善研修は1年を超えてはならない。ただし、2年を超えない範囲で延長できる。

 

3 任命権者は、指導改善研修を受ける教員ごとに計画書を作成すること。

 

4 指導改善研修の終了時に指導の改善の程度に関する認定を行わなければならない。

 

5 上記1,2の認定に当たっては、教育学・医学・心理学等の専門家や保護者等の意見を聴かなければならない。

 

教育公務員特例法25条の3(指導改善研修後の措置)

 

研修修了の認定において、指導の改善が不十分で、自動等に対する指導を適切に行うことができないと認める教員に対して、免職その他の措置を講ずること。

 

「指導が不適切な教員」の定義とは?

 

各教育委員会で定めているということですが、本県では次のようになっています。

 

・児童又は生徒に対する指導が不適切
・職務を適切に行うことができず、
・児童又は生徒が安心して学校生活を送ることができる学校環境を損なっている
と認定された教員

 

「指導が不適切な教員」の例

 

1 教科に関する専門的知識、技能等が不足しているため、学習指導を適切に行うことができない。
  ・教えることに誤りが多い。児童生徒の質問に答えることができない。など

 

2 指導方法が不適切であるため、学習指導を適切に行うことができない。
  ・授業内容を板書するだけ。質問を受け付けない。など

 

3 児童生徒の心を理解する能力や意欲に欠け、学級経営や生徒指導を適切に行うことができない。
  ・児童生徒の意見を全く聞かない。対話をしない。コミュニケーションをとらない。

 

以上3点は、文科省が通知で示しています。

 

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指導改善研修の導入の経緯とは

指導改善研修の導入の経緯

 

指導力不足教員については、これまでも分限処分などで対応されてきました。

 

2001年(平成13年)、「地方教育行政の組織及び運営に関する法律」(地行法)が改正され、これにより都道府県教育委員会は、県費負担教職員をいったん免職して、引き続き当該都道府県の職に採用する道を開く制度が整備されてきました。これを「配置転換措置」と呼びます。

 

しかしながら、依然として指導力不足教員は増加傾向にあり、教員全体に対する社会的信頼を揺るがしていることが問題になってきました。

 

2007年(平成19年)、教育公務員特例法の改正により、「指導が不適切な教員に対する人事管理システム」の厳格化が図られることになります。(2008年(平成20年)4月施行

 

これにより、任命権者である教育委員会が「指導が不適切」と認定した教員には、「指導改善研修」の実施が義務付けられました。

 

 

まとめ

 

指導が不適切な教員の人事管理については、
・「指導改善研修」(教育公務員特例法25条2及び3)
・「免職(分限免職)」(地方公務員法28条)
・「県費負担教職員の免職及び都道府県の職への採用」(地行法47条の2 第1項)
の3つの制度が用意されています。また、この制度の要件や違いについては、
・「指導が不適切な教員に対する人事管理システムのガイドライン」(平成20年2月8日)
に記述されています。

 

免職になった場合、教員免許状は失効になるんですよね。せっかく大学にいって何百万もかけて取得した免許状なのに失効させられるなんて・・・。

 

指導力不足ではやむを得ませんが、教員免許状には多額の個人負担がかけられているのだということをもっと知ってほしいです。知らない人が、更新制を考えたのだったりして。

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